中国/香港

香港の技術教育と教材の事例

訪問日:2006年1月(松浦・森山・宮川・市原・鬼藤・島田)


  現在,香港では,技術教育に関するナショナルスタンダードはなく,各学校がSBCDとしてカリキュラム開発を行っています。概ね標準的なカリキュラムの概要は次の通りです。教科名は,Design&Technologyで,中学・高校での男女共学による教科です。家庭科とは別教科ですが,クラスをハーフサイズにするために,DTと家庭科とが半期ずつ交代しながら授業を展開しているそうです。それによって,標準40名のクラスが,DTでは20名で実施することができます。授業時間は,半期に対して週1H程度(60分)だそうです。DTを必修として設置している学校は,香港市内の60%(概ね500校中300校程度),選択として設置しているのは,10%(10校)程度だそうです。以下,ICTEの会場で展示されていた各学年の教材・題材の事例をご紹介します。


  

  

 中等学校の低学年レベル(中学1〜2年生程度)では,写真上の時計づくりや写真下の空き缶のしくみ調べなどの教材が紹介されていました。時計は,コンピュータを使って背景をデザインしています。空き缶しらべでは,どのようにして空き缶が作られているかがレポートされていました。


 

 中等学校の中学年レベル(中学2〜3年生程度)では,電気回路に対するシンプルな制御を利用した教材として,光るオルゴールなどが紹介されていました。こんなところにアンパンマンが! というおどろきも・・・。

 

 こちらも同様に,シンプルな制御機構によるCD自動車模型とロボットアームです。


 

 中等3学年〜高校にかけては,ブリッジなどの建築技術やプログラミングを含めた制御システムへと発展していきます。センサーを用いることもあるそうです。


 

     

 コンピュータによる模型の制御は,香港でも人気のある教材のようです。機構の設計・製作と回路の設計・製作,そして制御プログラムの開発など,日本に比べると「制御システム」という側面が強いように感じました(日本では,リモートコントロールが主流?)


 高校レベルでは,アーキテクチャデザインとして,駅や家,スモール・オフィスなどをデザインし,プラスチックを用いてその模型を制作する活動が展開されています。模型には,様々な制御システムが埋め込まれています。さながら,科学センターにある展示物のようなものを製作するといったイメージでしょうか。


〜よもやま話その1〜
 香港では,イギリス式に,HKCEEと呼ばれる修了テストが行われています。もちろんDTのテストも含まれており,300名程度の生徒が受験しているそうです。テストは,35Hからなるプロジェクトワークと,ペーパーテストで構成されています。テストには,シラバスも示されているため,高校の後半は,このシラバスに基づいたテスト対策の授業がカリキュラムの中心になるそうです。


〜よもやま話その2〜
 現在,香港では現行の教育システムを2008年から改革する計画がすすでいます。現在は,中学・高校・大学が5・2・3なのを,改革後は日本と同じ3・3・4のシステムに移行するそうです。改革後は,「リベラル」と呼ばれる教科領域に,「Design & Applied Technology」という教科名で選択教科として位置づけられるそうです。


〜よもやま話その3〜
 香港では,日本と異なり,DTとは別にComputer and Information Technologyの授業があります。現在は,基礎的な「Computer and Information」(2H/1week,4〜5学年),ソフトウェア活用を中心とする 「Computer Application」(2H/1week,6〜7学年),プログラミングや数値計算など高度な内容を扱う「Computer」(4H/1week,6〜7学年)などの教科があるそうで,これらが2008年度が前述した「Computer and Information Technology」として一つの教科(上記の3つから科目を選択する)になるそうです。


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