アメリカ合衆国/ジョージア州/アトランタ

国際技術教育学会第63回年次大会(TECA編)
The 63rd Annual Conference of
International Technology Education Association

訪問日:2001年3月


 

 ITEA年次大会では,学会本体のプログラムと併行して,技術教育を学ぶ大学生による技術コンテストが開催されています。このコンテストを運営しているのが,TECA(Technology Education Collegiate Association)と呼ばれる,技術科の教員を目指す大学生の組織です。TECAには,アメリカの大学生を中心に800名程のメンバーが参加しています(一部にカナダ)。各大学ごとにチームが結成され,全米4地区(東部,西部,南部,北部)ごとに1年間かけて地区大会が開催されます。各地区大会を勝ちぬいてきた19チームが,ITEAの年次大会時に決勝戦を行うことになっています。右の写真は,TECAが開催されたヒルトンホテルで,学会本体が開催されているウィスチンホテルとは歩いて数分のところに位置しています。

 

 初日は,Technology Challengeと呼ばれる親睦ゲーム大会です。チェアマンの両側に各チームの選手が並びます。チェアマンは,技術に関わる一般的な問題を出し,早押しクイズ形式で競い合います。問題には,HTMLやVHSが何の略かといったものから,建築のために作図されるウィンドスケジュールのこと,ロケットエンジンや流体力学のことなど,Manufacturing, Construction, Communication, Transportation等の分野から出題がなされていました。自分のチームがいち早く正答すると,仲間からの大きな声援と拍手が送られていました。このあと,深夜までレセプションが行われました。

 

 各チームには,1日目に課題が与えられます。その課題に対して,各チームがさらにグループごとに分かれ,それぞれの課題に取り組みます。会場には,材料,道具,スペースなどが準備されます。ただ課題を解決すれば良いのではなく,どのようなプロセスを展開したかということも,評価と対象となります。2日目以降には,各課題ごとにコンテストが行われて行きます。

 

 これは,Problem Solvingの課題です。5名が1チームとなり,風船,紙コップ,厚紙,木の棒などを使ってピンポン球を移動させるデバイスを作って行きます。製作のプロセスでは,ブレインストーミング,解決方法の計画,スケッチ,デバイスの構成,テストと評価,デバイスの仕組みの説明等をそれぞれシートに記入していきます。

 

 左の写真は,Transportationの課題で,Heavy Loaderと呼ばれています。ある制約条件のもとで製作した自動車の模型に,万力を入れた箱を置いて,規定の距離を移動させ,どのチームが最も重いものを移動させることができるかを競うコンテストです。右の写真は,Communicationの課題で,プレゼンテーションのコンテストです。1名10分で与えられたテーマに沿ったプレゼンテーションを行います。この他にも,テーマに沿ったビデオタイトルを製作する課題等も出されていました。     


 ITEAに参加する大学の教官の中には,見事,地区予選を勝ち抜いたTECAのチームを引き連れて現地入りされる方もいます。年次大会はまた,学生のための大会でもあるのです。この他,年次大会とは別ですが,高校生以下の生徒を対象とした学生の組織,TSA(Technology Students Association)というものもあります。TECAやTSAは,いわば,技術科の甲子園といったところでしょうか。


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