信州大学教育学部紀要第116号,pp.59-69(2005)

技術科教育における問題解決的な学習における教師の支援方略の枠組み
〜実態調査に基づく尺度項目の作成〜

森山 潤・佐藤祐輔・宮川洋一・西 正明

[要約]

 本稿の目的は,技術科教育の問題解決的な学習において,担当教員が用いる支援方略を探索的に把握し,今後の体系的な調査に向けた分析の枠組みを作成することである。
 長野県下の技術科担当教員計199名(有効回答数41名,有効回答率20.6%)を対象とした調査の結果,本調査の対象校では問題解決的な学習を,木材加工における技能習熟の場面で,生徒につまずきを克服させるトラブルシューティングの形態で実践しているケースが多いことが示唆された。また,実践事例に適用される方略として得られた計280コメントを分類・整理したところ,問題解決的な学習に適用される支援方略の仮説的な枠組みとして,「問題発見・課題把握の場面」,「多角的な課題の検討・情報収集の場面」,「解決方法の比較検討・意思決定の場面」,「計画立案の場面」,「実践の場面」,「反省・評価の場面」の6つの場面における教師の支援と,「座席表の準備」,「教室掲示の工夫」,「教室環境の充実」等のカテゴリを作成することができた。これらの方略を適用する場面は,平均で全体の75.4%が内容によらず共通のものであったが,「技術とものづくり」では「計画に基づく実践の場面」において,「情報とコンピュータ」では「解決のために必要な情報を収集する場面」において,それぞれ個々の生徒の様々なつまずきに対応したり,生徒の主体的な活動を促したりする等,学習内容の違いによって支援の力点に差異が生じている傾向が推察された。

[キーワード] 技術科教育,問題解決的な学習,支援方略,技術科担当教員

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