日本産業技術教育学会誌第46巻第4号,pp.pp.211-220 (2004 )

工業高校における生徒の自己概念の構造
〜兵庫県・大阪府下における調査に基づいて〜

森山 潤・島田和典・松浦正史

[要約]

 本研究の目的は,工業高校における生徒の自己概念を構造的に把握することである。まず,予備調査として,工業高校生216名を対象に,「自分自身について考えていること」を自由記述させ,その回答を足立(1990)の概念的枠組みに当てはめ,16カテゴリ53項目からなる測定尺度を作成した。次に,工業高校生1040名を対象に,作成した測定尺度を用いた調査を実施し,尺度項目間の構造を分析した。
  その結果,工業高校に学ぶ生徒の自己概念として,「自律志向性」因子,「キャリア志向性」因子,「専門的能力志向性」因子,「社会的価値志向性」因子,「自己モニタ志向性」因子の5因子が抽出された。また,因子負荷量に基づいて尺度項目を19項目に再編成し,各因子の水準を比較したところ,学年の進行に応じて,「専門的能力志向性」因子が減衰する一方で,「自律志向性」因子と「キャリア志向性」因子が向上する傾向が認められた。 

[キーワード] 自己概念,構造,工業高校,因子分析

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