日本産業技術教育学会誌第46巻第3号,pp.123-134 (2004)

材料加工学習における生徒の技能習得を把握するためのシンプトムの検討
−金属加工作業時のプロトコル分析を通して−

  山本 利一,森山 潤

[要旨]

  本研究の目的は,材料加工学習における技能的な課題の遂行過程の分析を通して,生徒の技能習得を把握するためのシンプトム(兆候)を明らかにすることである。中学生を対象に,研磨・穴あけ・ねじ切り等の金属加工作業から,課題に対する外的遂行過程(操作系列)と内的遂行過程(発話プロトコル)とを抽出し,その構造と特徴を分析した。
 その結果,外的遂行過程においては,試行経験の増加に伴い,操作系列がしだいに取捨選択され,課題の条件にパフォーマンスが適合しはじめることに,顕在的なシンプトムを把握することができた。また,内的遂行過程においては,発話プロトコルの分類・整理によって抽出された32項目の分類カテゴリが,作業課題の違い,学習者の個人差,試行経験の違いにそれぞれ依拠するリフレクションに分類されると共に,課題遂行に対する無意識化と知識構造の再構成に潜在的なシンプトムを把握することができた。

キーワード: 材料加工学習,技能的課題,プロトコル分析,課題遂行過程,シンプトム

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