日本産業技術教育学会誌第42巻第2号pp.69-78(2001)

共同学習環境の導入による生徒のプログラム作成能力の向上

森山 潤・三谷 亮・桐田襄一・樋口 裕

[要旨]

 中学生によるLogoプログラミングの学習において,ペアによる共同学習の経験が事後のプログラム作成能力の向上に及ぼす効果について検討した。コーディング・テスト,デバック・テスト及びプログラミング思考過程自覚尺度(森山ら1996)を用いて,中学校3年生男女計60名を対象とした実験授業を実施した。
 その結果,ペアによる共同学習によって,課題の達成得点が向上すると共に,思考過程に対する内省が有意に深まった。事後調査では,ペア学習を経験した学習者の文法的エラーに対する修正得点が,個別学習を経験した学習者に比べて有意に向上すると共に,下位群のコーディング・テストの達成得点が飛躍的に向上することが明らかとなった。さらに,これらの効果が,共同学習時に顕在化された課題の分割と構造化を示唆する方略(課題分割ストラテジー)への気づきによるものであることが示唆された。
 今後は,多様な共同学習環境やメンバーの組織方略等の要因を含めた複合的な検討が必要であろう。

[キーワード]Logoプログラミング,中学生,共同学習,プログラム作成能力

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