信州大学教育学部 学部・附属共同研究報告書,pp.197-203(2001)

技術科教育における共同製作学習の展開と問題解決的な学習場
面の構成から見たカリキュラム評価の試み

-養護学校との交流を図る題材「友へのプレゼント」の実践を通して-,

森山 潤・佐藤正志・竜野正英・林佳恵・山浦貞一

[要旨]

 木材加工の学習において,附属養護学校との交流と関連付けた共同製作学習「友へのプレゼント」を試みた。本実践は,附属養護学校の生徒の生活に役立つ製品を調査し,発泡スチロールを用いた試作品を作成し,設計を吟味した上で,グループによる共同製作に取り組むものである。設計の吟味に際しては,家庭科担当教員が住生活学習の視点から支援するティームティーチングを取り入れた。
 問題解決的な学習場面の構成に基くカリキュラム評価を実施したところ,本実践の成果として次の3点が確認された。
1)調査活動・プロトタイプの作成・設計の吟味等の活動は,明確なニーズとそれに伴う様々な制約条件とを勘案し,構想の実現に向かう設計プロセスの学習として,効果的であった。
2)「作品を養護学校の友達にプレゼントする」という目的意識を,グループのメンバーが共有し合うことを通して,生徒の意欲を高めることができた。
3)分業と協業に伴う相互作用と合意形成によって,アイディアや課題解決手順の明示化を促がされ,アイディアを創出する力,工夫・改良の力,技術的な事象に対する興味・関心等に対する自己評価が向上する効果が得られた。
 今後は,本実践のような共同製作学習の題材開発をさらに進めると共に,ものづくりによる他者への貢献という学習の文脈を,総合的な学習の時間での学習活動と連携させていく必要があろう。

[キーワード]技術・家庭科,技術とものづくり,共同製作学習,交流学習,カリキュラム評価

戻る