日本産業技術教育学会誌第41巻第4号pp.187-196(1999)

プログラミングにおける共同学習過程の分析

森山 潤

[要旨]

 本研究の目的は,中学生のプログラミングにおける共同学習過程が学習者の思考過程に及ぼす認知的な効果を明らかにすることである。中学3年生男女計24名を対象に,個別学習群とペア学習群を設定し,Logoを用いた実験を実施した。測定尺度には,筆者らの作成したプログラミング思考過程自覚尺度(森山ら1996)を用いた。また,ペア学習群では改変したLUTEモデル(森本ら1997)を用いて管理サイクル(Plan-Do-Chech)を抽出し,相互作用の分析を行った。
 その結果,ペアによる共同学習は,個別学習よりも学習者の思考過程に対する内省を深める効果が認められた。また,ペアには「実行係」と「指令係」という顕在的な役割分担が生じ,両者の相互作用と合意形成を通して課題解決が展開されることが明らかとなった。さらに,潜在的にはペア同士が相互作用を通してメタ認知的な機能を相互に補完しあっていることが示唆された。

[キーワード]プログラミング,共同学習,思考過程,メタ認知

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