京都教育大学教育実践研究年報第15号pp.159-171(1999)

初心者のプログラミングにおける作業スタイルと思考過程との関連

森山 潤・桐田襄一

[要旨]

 初心者のプログラミングにおける作業スタイルと思考過程との関わりについて検討した。教員養成系大学の学生を中心とする被験者10名を対象に,日本語版Logoを用いた難易度の異なる3つの課題と反復課題を与えた。思考過程の測定には,筆者らの作成した「プログラミング思考過程自覚尺度」を用いた。また,作業スタイルの測定には,松原ら(1982)のS-T授業表示法を参考に,操作占有率,操作の持続性,30秒以上の休止数,試行率などを指標化した。
 分析の結果,@試行率は,学習者の個人差変数として比較的安定しており,プログラムのエラーをモニタリングする思考過程として機能していること。A30秒以上の休止数は,課題の難易度によって差異が表出し,比較的やさしい課題ではプログラム全体を見なおす思考過程と,難しい課題ではプログラムの問題状況を分析する思考過程との関連性が深いこと。Bプラン形成と下位の修正課題の探索とを同時に含む課題を与えた場合,学習者の操作は阻害されるが,これらが分割しやすい課題を与えた場合には,断続的な操作が持続されること,などが示唆された。これらの結果に基づいて,プログラミングにおける問題解決を促進するためのいくつかの指導仮説を考察した。

[キーワード]プログラミング,作業スタイル,思考過程,「情報基礎」領域,技術科教育

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