京都教育大学環境教育実践年報第5号pp.195-202(1997)

中学生の栽培に関する既有概念の形態と特性の分析

森山 潤・桐田襄一・梁川 正

[要旨]

 栽培の概念は,一般に「耕地を利用して作物を育て,収穫をあげるために行われるすべての手段」と理解されている。しかし,中学生が抱く既有の栽培に関する概念の心理的な特性は,この定義的な概念規定に必ずしも一致しない。そこで本研究では,「栽培」領域導入時にあたる中学1年生119名を対象に,栽培を刺激語とする言語連想による反応語を調査し,中学生の抱く栽培についての既有概念の形態と特性を因子分析によって検討した。
 その結果,栽培に関する既有概念を構成する因子として,「観察的イメージ」「経験的イメージ」「生産手段的イメージ」「社会科学的イメージ」の4因子を抽出した。また,反応語の出現頻度から,各反応語の典型性を比較したところ,各因子のプロタイプを表象するキーワードは,「空気」「植物の具体名」「水・土」「植物・人間」等であることが示唆された。
 「栽培」領域の学習では,中学生にとっての典型性の高いこれらのキーワードを中心に,栽培に関連する知識を構造化し,概念形成を図る必要があると思われる。

[キーワード]中学校技術・家庭科,「栽培」領域,言語連想,因子分析

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