京都教育大学教育実践研究年報第13号pp.167-179(1997)

技術科教育における安全に対する実践的能力の形成
〜「電気」領域における実態調査を通して〜

森山 潤・桐田襄一・寺町幸治

[要旨]

 技術・家庭科「電気」領域では,電気機器を安全かつ適切に活用する実践的能力の形成がその指導目標の一つとして挙げられている。本稿では,「電気」領域の学習指導によって形成される生徒の安全に対する実践的能力の実態を調査した。
 その結果,1.生徒の安全に関わる知識の情報源・媒体として中学校技術・家庭科「電気」領域の教科書や授業が大きな役割を担っていること,2.事故防止の注意を促す安全に対する意識は,「電気」領域の学習によって形成されうること,3.一般的で判断基準が明確な危険事例においては,安全に対する意識,知識,態度が総合化され,実践的能力としての有意な連関が認められること,などの実態を把握した。
 しかし,一部の事例を除いて態度が図られていないこと,危険状態に対する判断力が十分に育成されていないことなどの問題点も明らかとなった。今後は,危険予知課題を用いたシミュレーション学習や,擬似体験が可能な実験教材,及び視聴覚教材等の開発,危険状態に対する判断力を育成しうる課題解決型の学習過程の設定などが必要であると思われる。

[キーワード]技術科教育,「電気」領域,安全教育,実態調査,安全意識

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