兵庫教育大学研究紀要第31巻,pp.143-150 (2007)

「技術とものづくり」の学習における生徒の作品に対する愛着の形成要因
〜自由記述調査による探索的検討〜,

森山 潤・間宮寿樹・鬼藤明仁・松浦正史・黒岩 督

[要旨] 

 本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野(以下,中学校技術科)「技術とものづくり」の学習において,生徒が製作した作品に対する愛着の形成要因について探索的に検討することである。中学2,3年生計296名を対象とした調査の結果,作品に対して愛着を抱いている生徒の割合は67.6%,愛着を抱いていない生徒の割合は32.4%であった。その理由を分類したところ,「愛着有群」では「オリジナリティ」,「成就達成感」,「利便性」などの9項目,「愛着無群」では「非利便性」,「未完成・失敗」などの6項目のカテゴリが見出された。これらのカテゴリを用いた数量化V類の結果,愛着の形成要因として両群ともに「経験」軸(プロセス−結果)と「価値」軸(内的−外的)の2軸が抽出された。また,男子では,[プロセス]−[外的](主に,「家族からの励まし(肯定)」)が愛着の形成要因に,[結果]−[内的](主に,「作品の不要さ(否定)」)が阻害要因として認められた。一方,女子では[プロセス]−[内的](主に,「成就感(肯定)」)が愛着の形成要因として認められた。

キーワード: 中学校技術科,「技術とものづくり」,作品,愛着,生徒

 

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