日本農業教育学会誌第25巻第1号pp.43-50(1994)

テッポウユリ培養子球の再培養による新子球の形成

森山 潤・梁川 正

[要旨]

  テッポウユリの球根のりん片切片の組織培養により形成された子球から種々の培養片を採取して再培養を行い,効率的に新子球を増殖される方法について検討すると共に,子球の再培養による大量増殖法のバイオテクノロジー教材としての可能性について追求した。
  (1)子球の再培養においては,生長調節物質としてNAA0.1mg/l,BA1.0mg/lを組み合わせて添加した液体培地を用いるのが,新子球形成に適当であった。また,無添加培地では,新子球の形成だけでなく,培養片からの発根が促進された。(2)子球から採取されたりん片を一枚ごとに分けて培養片を作成し,再培養した場合,多数の培養片が新子球を形成したが,りん片を塊のままとした培養片の場合は,各りん片が肥大・伸長し,新子球は形成されなかった。(3)子球から採取したりん片の培養片に切れ目処理を行うことにより,無処理区に比較して新子球形成数を150〜200%増加させることができた。(4)子球を低温処理の後,ロックウールによる養液栽培を行うことにより,土耕栽培区よりも低音処理による出葉促進効果が現れた。(5)球根のりん片切片の培養によって形成された子球から採取した培養片における新子球の形成は,種々の条件に明確に反応し,操作も容易であるので,学校現場におけるバイオテクノロジー教材として利用できる可能性のあることがわかった。

[キーワード]テッポウユリ,再培養,生長調節物質,バイオテクノロジー教材

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