日本農業教育学会誌第24巻第1号pp.1-9(1993)

バイオテクノロジーに関する教材の開発(第3報)
〜テッポウユリのりん片培養における子球形成〜

梁川 正・森山 潤

[要旨]

  テッポウユリ球根のりん片の種々の部位から切片を切り出し,組織培養を行って効率的に子球を形成する条件について検討すると共に,バイオテクノロジー教材としての可能性について追求した。
  1.培養温度は25℃,培地へのショ糖添加量は20〜40g/lが適していた。2.生長調整物質としてNAA0.1mg/l,BA1.0mg/lを組み合わせて添加した場合,子球形成切片率及び切片当たりの子球数が最大となった。3.球根内のりん片の基部又は中央部の切片を用いた場合に,子球形成能率は最大であった。4.切片への切れ目処理を行うことにより,形成子球数を増加させることができた。特に,3本の切れ目処理は,無処理に比べて255%の増加が認められた。5.液体振とう培養による子球形成能率は,固型培地を用いた培養よりも低かった。6.組織培養したりん片切片における子球形成は,種々の条件に明確に反応し,操作も容易であるので,学校現場におけるバイオテクノロジー教材として利用できる可能性のあることがわかった。

[キーワード]テッポウユリ,りん片培養,生長調節物質,子球形成,バイオテクノロジー教材

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