日本産業技術教育学会誌第39巻第2号pp.87-95(1997)

「情報基礎」領域における生徒のプログラム設計能力
の向上に対する諸要因間の因果関係

森山 潤・桐田襄一

[要旨]

 本研究の目的は,「情報基礎」領域の学習において,生徒のプログラム設計能力の向上に影響を及ぼす諸要因間の因果関係を解明することである。
 プログラミングを学習している中学3年生男女計118名を対象に,アチーブメントテスト(表層的要因),プログラミング思考過程自覚尺度(中層的要因),京大NX9-15知能検査(深層的要因)を用いた調査を実施した。
 重回帰分析及びパス解析の結果,1.表層的なプログラム設計能力の向上は,深層的な知能の水準や,中層的な思考過程の内省に影響されること,2.プログラムの修正・点検能力の向上は,具体的なエラーの修正を学習経験として蓄積する必要があること,3.問題を理解する思考過程と,プログラムを設計する思考過程とでは,学習者に要求される知能因子が一致せず,前者は空間的因子,後者は言語的因子とのより強い関係にあることが明かとなった。

[キーワード]「情報基礎」領域,プログラム設計能力,中学生,因果関係,パス解析

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