日本産業技術教育学会誌第38巻第4号pp.255-262(1996)

中学生のプログラミングにおける思考過程の構造解析

森山 潤・桐田襄一

[要旨]

 本研究は,「情報基礎」領域で行われるプログラミングの設計学習において,学習者である中学生が自覚する思考過程の内省を取り上げ,その構造を因子分析的に解明したものである。
 プログラム設計過程のプロトコル分析に基づいて作成したプログラミング思考過程自覚尺度を用いて,中学生118名を対象に,プログラム設計課題における思考過程の内省を調査した。
 因子分析及びクラスター分析の結果,思考過程の因子としてF1「問題理解過程」因子,F2「要素分解・統合過程」因子,F3「局部的自己点検過程」因子,F4「大局的自己点検過程」因子が抽出された。また,各変量の階層構造から,修辞的問題意識と内容的問題意識との関連性,中局的・小局的設計過程の構造化,エラーの修正過程と変数や処理の予測過程との関連性,構文的誤りの検出過程と意味的誤りの検出過程との関連性等が明らかとなった。さらに,プログラム設計能力の習熟には,F2の水準を高める学習指導方法が有効であることが示唆された。
 これらは,プログラミングの学習における指導仮説の構築に向けて有用な基礎的資料となるものである。

[キーワード]プログラミング,思考過程,「情報基礎」領域,技術科教育

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