京都教育大学教育実践研究年報第12号,pp.103-119(1996)

初学者のプログラミングにおける思考過程の自覚程度
を測定するための尺度項目の作成

森山 潤・足立明久・桐田襄一

[要旨]

 本稿の目的は,初学者の行う簡単なプログラミングにおいて,初学者が自覚する思考過程の下位過程を探索・同定し,その特徴を考察すると共に,学習者の思考過程に対する自覚程度を測定するための尺度項目を作成することである。
 実験は,一定期間同じ指導者から同じ講義によってプログラミングを学習した文系大学生男子6名に対して,課題を与え,プログラミングを行う過程を1台のVTRに収録した。実験後にVTRを再生し,記録されている入力操作の状況と発話プロトコルとを採取し,その内容を分類・整理した。その結果,内省された下位過程として19項目の分類カテゴリーを作成することができた。作成された分類カテゴリーに基づいて,学習者がプログラムの設計を行う場合に自覚する下位過程の内省を測定しうる尺度項目を設定した。尺度は,分類カテゴリーに基づく19項目と,それを補足する質問項目,調査の信憑性を判断するためのダミー項目,及び同型項目を追加した24項目とし,「プログラミング思考過程自覚尺度」と名づけた。この測定尺度によって,プログラミングの学習指導を最適化するための簡便な調査が可能となった。

[キーワード]初学者,プログラミング,思考過程,プロトコル分析,尺度項目の作成,技術科教育

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