京都教育大学教育実践研究年報第14号,pp.183-197(1998)

子どものプログラミングにおける思考研究の展望と課題
〜技術科教育の視点から〜

森山 潤

[要旨]

 子どものプログラミングにおける思考研究の動向と今後の課題について論述した。まず,学習用言語プロセッサの特徴に基づくプログラミングの課題特性,プログラミングの学習適性,認知的技能の表現と獲得,問題解決能力の育成に関わる先行研究をそれぞれ取り上げた。次に,プログラミングによる問題解決を技術的な問題解決事例の一つとして位置付け,今後の研究課題を探索した。その結果,子どものプログラミングにおける思考過程の質的な分析手法,思考過程の構造的特性,学習による思考の変容,作業スタイルや手続き的知識の形成度等の個人差変数,知能や創造性などの学習適性との関わり,技術的な問題解決能力の転移可能性などの諸問題が浮上した。
 今後は,これらの諸問題を解決することによって,子どものプログラミングにおける心的アーキテクチャーを解明し,技術的な問題解決能力を育成しうる学習指導ストラテジーを構築する必要があると思われる。

[キーワード]プログラミング,思考過程,技術科教育,展望と課題

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