100円でできるプラスチック折り曲げ器
開発者:京都市立太秦中学校 榎本俊秀
m_enomoto1@ma.e-colle.com


 学習指導要領が改定され,従来の木材加工や金属加工等の領域の枠組みがなくなりました。A.「技術とものづくり」では,木材と金属を中心としながらも様々な材料を用いた加工技術と「ものづくり」を学習することができます。そんな中,プラスチックという材料は新しい学習素材として注目されています。 ここでは,京都市立太秦中学校の榎本俊秀先生が開発されたなんと「100円でできる」プラスチック折り曲げ器を紹介します。技術室の廃材を活用して,簡単に製作することができます。


教材の概要と製作方法

<教材開発の視点>

@プラスチックは、日常生活において最も身近な材料の一つ。
 加工がおもしろく、創意工夫の余地、課題解決場面が多い。
B市販の「プラスチック折り曲げ器」は、高価(1万円くらいするらしい)
C電気領域がなくなると、電気半田ごての使用頻度が大幅に減少する。
D電気半田ごての廃品が、技術準備室にたくさんある。
E安全な熱源を探していた。
Fこて先は、銅製で交換できる。「ねじ切り」できるのでは…。
 

<教材開発の条件>

@簡単に作れる「折り曲げ器」であること⇒班に1台づつ用意したい
A安価であること
B安全であること
C使いやすい「折り曲げ器」であること
Dこわれにくい「折り曲げ器」であること
E部品交換、修理がし易いこと

<材料> 1台あたり…総額100円くらい

・電気半田ごての廃品:2…0円

・合板片(少々:サイズは適当)…0円

・銅棒(4φ)170o:1,30o:1
              …60円程

・木ねじ(少々)…40円程

 <使用工具、機械>

  @卓上ボール盤、ドリル刃(13o、6o、4o、2o)  A丸鋸盤
  B弓のこ  Cやすり  D機械万力  Eアングル   F+ドライバー
  G木工用ボンド  Hダイス(
M4)   Iダイス回し



銅棒の長さと折り曲げ可能温度の関係を調べる実験

<条件設定>

T、アクリル板は、全て「t2」で行った。材料はt0.5t1t1.5t24種類を購入したが、t0.5t1.5までは、ペラペラで強度が弱いことがわかった。「t2」は、結構硬い。

U、アクリル板と銅棒の隙間は、接触しないようにできるだけ近づける。

※ 実験では、アルミニウムアングルを使い、アクリル板を支える台にした。少し不安定だったので、特に“実験2”では、誤差は少なくないと思います。

結果>

銅棒の長さ(o) 加熱時間(分) 折り曲げができたか(○、△、×)

折り曲げの様子

300o

5分

×

5分待っても折り曲げられなかった。

250o

5分

×

5分待っても折り曲げられなかった。

200o

5分

余裕。柔らかい感触。折り曲げられた。

4分

まあまあ柔らかい感触。折り曲げられた。

3分

硬くもなく、柔らかくもない。折り曲げられた。

2分

硬い。かろうじて折り曲げられた。中学生の中には無理な生徒も出てくるであろう。

1

×

硬くて折り曲がらない。

150o

3

余裕。柔らかい感触。折り曲げられた。

2

余裕。柔らかい感触。折り曲げられた。

1

やや柔らかい感触。折り曲げられた。

0.5

×

硬くて折り曲がらない。

100o

1

余裕。柔らかい感触。折り曲げられた。

0.5

硬くもなく、柔らかくもない。折り曲げられた。
  • 銅棒100o以下では“余裕”だが銅棒が短いため、小さい板しか加工できない。また、これ以上短ければ、加熱のための過熱になり、安全性の問題も生じる。
  • 銅棒200o以上では、安全性の問題はないが、加熱時間が長くかかり、教具としては不適格である。

  • 試作品の製作〜〜フォトスタンド〜

    試作品は,フォトスタンドです。写真の長さが127oであることから割り出し、銅棒を175oに切断し、両端を5oずつねじ切りした。それによって、銅棒の見えている部分が165oとなり、加熱可能な長さが最大160oとなった。フォトスタンドは、まさに最大値の160oで作ったものである。

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